クロコダイル革について

クロコダイル革の本物・偽物の見分け方 〜 知っておきたい、価値ある一品の選び方 〜

その美しさ、力強さ、そして希少価値から、“キング・オブ・レザー”とも称されるクロコダイル革。
しかし、近年ではその人気と価値に便乗するように、見た目だけを似せた偽物や類似品も多く流通しています。ときに精巧な型押し加工が施された製品もあり、見た目だけでは本物との区別が難しい場合もあるのが現実です。

そこで今回は、クロコダイル革の「本物」と「偽物」の見分け方をわかりやすく解説し、信頼できる一品を選ぶための基準をお届けいたします。

■ 偽クロコダイル革の代表的な2タイプ

現在市場で見かける“クロコダイル風”の製品は、大きく以下の2種類に分類されます。

【牛革の型押しレザー(クロコ調)】

牛革にクロコダイルの腑模様(鱗模様)を型押ししたもの。見た目はよく似ていますが、腑模様の整いすぎたパターンや、均一な凹凸が特徴です。天然皮革ではあるものの、クロコダイルの質感や経年変化、深みある表情は得られません。

【合成皮革のフェイククロコ(PU・PVC製)】

ポリウレタンや塩化ビニルなどの合成素材に、クロコダイル風の模様を印刷、型押しで再現したものです。価格は非常に安価で、ノベルティやファッション雑貨などによく使われますが、劣化しやすく耐久性に乏しいのが難点です。

いずれも「クロコ型押し」「クロコ風」「クロコ調レザー」といった言葉で販売されることが多く、本物のクロコダイル革とは別物です。

■ 見分け方1:腑(ふ)模様の不揃いさを見る

クロコダイル革のもっとも顕著な特徴は、「腑(ふ)模様」と呼ばれる独特のウロコ模様です。
この模様の不規則性と自然な個体差が、本物かどうかの大きな判断材料となります。

【本物の特徴】

  • 腑の大きさや形が一つ一つ異なり、左右対称ではない
  • 腑の一部に「穿孔(せんこう)」と呼ばれる小さな穴が見られる(加工により見えない場合もあり)
  • 規則性の中に自然なランダムさがある

※穿孔につきましては、加工や革の大きさによって目立ちにくい場合がございます。

本物のナイルクロコダイル革

【偽物の特徴】

  • 模様が整いすぎていて不自然に均一
  • 穿孔がない、または模様に奥行きがない
  • 凹凸が浅く、型押し特有の“のっぺり感”がある
型押しクロコダイルレザー
型押しクロコダイルレザー
引用元:LIPARI クロコ型押し
模様が「美しすぎる」と感じたら、それは本物ではないかもしれません。
自然の力が生み出す不完全さこそ、本物の証です。

■ 見分け方2:手触りとツヤの質感

クロコダイル革は、見た目だけでなく手に取ったときの“感触”にも明確な違いがあります。

【本物の特徴】

・凹凸の存在感がはっきりと感じられる
・手で触れるとしっとり吸いつくような質感
・マット仕上げはサラッと滑らか、シャイニング仕上げは鏡面のような硬質なツヤ

【偽物の特徴】

  • 手触りが均一でツルツルしすぎている
  • コシや弾力に乏しく、人工的な感触
  • ビニール特有の滑りやべたつきがある
本物の革は“呼吸する素材”です。
わずかな温度変化や湿度にも反応し、手にしたときに生きているような質感を持ちます。

■ 見分け方3:表記をチェック

「クロコ調」「型押しクロコ」「クロコレザー風」といった表記がある場合、それはクロコダイルではない可能性が高いと考えてください。
こうした表現は、あくまでクロコダイルに“似せた加工”であり、誤解を避けるためにも注意が必要です。

■ 見分け方4:信頼できる販売元かどうか

最終的に重要なのは、「誰が、どのように扱っているか」です。
本物のクロコダイル製品には、それにふさわしい背景があるべきです。

確認すべきポイントは以下の通りです:

  • CITES(ワシントン条約)に基づいた適正な輸入であるか
  • 素材の種類・製造国・仕上げ方法が明示されているか
  • 商品や問い合わせへの対応が誠実か
CLWでは、正規ルートで輸入したクロコダイル原皮のみを使用し、日本国内で職人が製造。製品ごとの背景を明確にお伝えできる体制を整えています。

■ まとめ:本物には、「語れる背景」がある

クロコダイル革の本物は、見た目の美しさだけではなく、
その腑模様、手触り、仕立て、そしてそれを生み出す作り手の姿勢までもが価値の一部です。

本物には、「語れる背景」があります。
CLWでは、そのすべてを大切にしながら、素材と向き合い、誠実なものづくりを続けています。

流行に惑わされず、“本質的な価値”を求める方にこそ、ぜひ手に取っていただきたい。
それが私たちの願いです。

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