コラム

クロコダイル革・ダイヤモンドパイソン革製品を買う前に知っておきたい CITES(サイテス)の基礎知識

CLW(Crocodile Leather Works)では、ナイルクロコダイルやダイヤモンドパイソンといった希少なエキゾチックレザーを中心に、国内生産の高品質な革製品を展開しています。

その美しさ、力強さ、そして唯一無二の存在感から、多くの方に支持されている一方で、こうした希少動物由来の素材は、国際的な保護対象としての側面も持っています。

とくに近年では、環境配慮や動物保護に対する関心が高まっていることもあり、クロコダイルやパイソンといった素材を扱う製品に対し、一定の慎重さをもって選ばれる方が増えてきました。

その背景を正しく理解していただくことは、製品を安心して選んでいただくためにも大切なこと。

今回は、クロコダイル革・ダイヤモンドパイソン革製品を購入する前に知っておきたい「CITES(サイテス)」という国際的なルールについて、わかりやすく解説いたします。

CITES(サイテス)とは?

CITES(サイテス)とは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の略称で、英語では Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora と表記されます。
この条約は、絶滅の危機に瀕する野生動植物が、無秩序な国際取引によってさらに数を減らさないよう、輸出入を厳しく管理するために1975年に発効された国際協定です。
現在では180か国以上が加盟し、日本もその一員としてこのルールを遵守しています。

なぜクロコダイル革やパイソン革が対象になるのか?

クロコダイルやダイヤモンドパイソンといった動物たちは、かつて過剰な捕獲によって野生個体が激減した歴史を持ちます。
そのためCITESでは、こうした種の国際的な保護と持続的な活用を両立させるために、段階的な管理を行っています。
この管理には「附属書」という分類があり、それぞれの種に応じた規制レベルが定められています。

CITESの「附属書」とは?

CITESでは、規制対象となる動植物を3段階に分類しています。

附属書 I: 絶滅の危険性が極めて高く、原則として商取引は禁止
附属書 II: 現時点では絶滅の危険はないが、無制限に取引されると将来的にリスクがある種
附属書 III: 各国が自国で保護対象としたい種を国際的に共有するもの

引用元:外務省サイトより
引用元:WWFジャパンより

CLWで扱っているクロコダイル(ナイルクロコダイル)やダイヤモンドパイソンは、いずれも「附属書 II」に分類されています。

つまり、きちんと管理されたルートで取引されている限り、合法的に国際間での流通が認められている素材なのです。

適切なルートで仕入れ、正しく届けるという責任

CLWでは、CITESのルールに基づき、正規の通関手続きを経た革素材のみを使用しています。

日本国内の信頼ある輸入商社との連携により、管理された養殖場や適法な供給ルートからのみ原皮を仕入れ、それを日本国内で丁寧に製品へと仕立てています。

こうしたプロセスは決して簡単なものではありませんが、「素材の背景にまで責任を持ちたい」という思いから、創業当初より一貫してこの姿勢を貫いています。

また、素材の段階で管理されているだけでなく、縫製や染色などの加工もすべて日本国内で行っており、安心して選んでいただける製品づくりに努めています。

保護と活用、その両立を目指すCITESの本質

CITESは、単なる“制限”の仕組みではありません。
その本質は、「自然資源を守りながら、正しく活用する」ための国際的な合意にあります。

たとえばナイルクロコダイルは、多くの国で計画的な養殖が行われ、成長した個体の一部が革として活用されています。

また、ダイヤモンドパイソンも、野生個体の保護を前提とした上で、適切な数量管理のもとで捕獲・取引が許可されています。

こうした“育てながら守る”という仕組みがあるからこそ、私たちは希少で美しい素材を、倫理的に正しいかたちで楽しむことができるのです。

CLWが大切にしていること

私たちが扱うクロコダイル革やパイソン革は、単に希少だから高価というわけではありません。
それらは、適切に保護され、管理された素材であるという信頼性と、そこに携わる職人の手仕事によって、本当の価値を持つ“特別な素材”へと昇華されています。

「どんな背景を持った革なのか」「どういった経路で私たちの手元に届いているのか」

そうしたことまできちんと説明できるブランドであることが、今の時代においては特に大切だと私たちは考えています。

まとめ:納得と安心の上で選んでいただくために

クロコダイル革やダイヤモンドパイソン革は、確かに特別な素材です。

けれどその特別さは、単に見た目の華やかさや希少性だけではなく、背景にある保護の仕組み、管理の努力、そしてそれを支える職人たちの技によって生まれるものです。

CLWでは、そうした価値ある素材に正面から向き合い、ルールを守り、手間を惜しまず、誇れる製品だけをお届けしています。

安心して手にし、長く愛せる一品を――

それが、CLWのものづくりの原点であり、お客様へ伝えたい“本物のラグジュアリー”のかたちです。

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